天気の子と君の名は。
監督、楽曲提供が同じ事が2つの映画の大きな共通点だ。
新海誠作品として公開された映画『君の名は。』は初めてロックバンドRADWIMPSとのタッグを組み、映像美と壮大なストーリーで大ヒットを記録した。
日本のほとんどの若者が観に行ったのではないかというくらいの人気があった。
それから3年が経ち、昨年に新しい作品にて新海誠はまたRADWIMPSとタッグを組み映画を作り上げた。
それが『天気の子』。
最初はみんな『君の名は。』の余韻で『天気の子』を観に行っていた。もちろん、前回の出来が凄まじかった為、期待は大きかった。
しかし、この映画は前作の余韻なんかで語れる範疇を軽々しく超えていった。
下手したら『君の名は。』より面白かったと思う。
天気で描く生

生きている事を天気で描いたような作品だった。
新海誠の作品で『言の葉の庭』という映画がある。そこで描かれた雨を観て感動を覚えたのを思い出した。
彼の作品で描かれる雨はとても素敵だ。生も喜も涙も感じられる。
今回の映画では彼が得意とする空の描写が極めて多かったように思える。
天気が何もかもを描いていた。何かを失わなければ何かを得ることができないことも。
生きていればなんとでもなるということも。
だからこそ不思議な世界を天気で描いた作品が大ヒットしないわけがないのだ。
余韻なんかじゃこの壮大さは編み出せない。
RADのMV感が抜けた

前作では少しRADWIMPSのMUSIC VIDEO感があった。
映画を見せたいのか曲を聴かせたいのか、両方欲張るにしてもどこか曲、音楽が勝ってしまっている所があった。
しかし、今作は全くそれがなかった。
新人ボーカルで女声を起用したからかもしれないが音楽のクオリティには差がないはずなのに、今回はMV感は全くなかった。
曲中に主人公達が葛藤してしたからだろうか。セリフが音楽とかぶっていたからだろうか。
多分どちらも違う。「ちょうど良い」を見つけた結果だと思う。
映画として音楽も台詞も映像もぴったり丁度よく当てはまった。だから今回は気にならなかったのだろう。
新海誠は前作より数段パワーアップしてきていた。

映像美と音楽の融合

“グランドエスケープ“のシーンは震えた。
映画を観て久しぶりに鳥肌が立つくらいに震えた。
綺麗な映像に乗っかる音楽が心地良くて幸せな気分になれる。
思わず涙が溢れた。鳥肌ものだった。
“祝祭“のワクワク感も良かった。何気ない幸せを色濃く描かれていて、その「何気ない」感が音楽にもしっかり出ていて素晴らしかった。
音楽を作る時と絵を描いている時に思い描いた風景が完全に一致してそれが自然と融合して、一種の化学反応が起こっているような。
観ていてとても心地が良い。
観ろ
天邪鬼で流行りのものを観てないアピールはどうでも良い。勝手にして欲しい。
流行りのものを観ないという事は素敵なものを観るチャンスを無駄にしているという事だ。
いいから観ろ。つまらないプライドがどうでも良くなるくらいに良い映画だ。
『君の名は。』が微妙だって思った人にも今回は受け入れられる。
完全体な作品だ。
この作品を見ればもう少しで運命の向こうに行ける。
早く『天気の子』をAmazonでレンタルしに行こう!
僕らの恋が言う。声が言う。
「行け」と言う。
written by Bro.
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